梅仕事2019~梅の効能

今年も自然農法の梅が届き、
梅酒、梅シロップ、茶梅、煮茶梅、梅の味噌漬け、白梅干しを仕込みました。

季節の手仕事は、自然とともに暮らす人間本来の生き方といいますか、
丁寧に生きることの大切さを教えてくれるような気がします。

手間はかかるけど、それ以上のおいしさ、豊かさ、恩恵をもたらしてくれるんですよね。

目次

梅の歴史

梅干しは、古来中国から伝わったと言われています。(日本原産説もあり)

当初は「菓子(果物や茶菓子などとして)」や「薬」や「縁起物」として、
戦国時代には「梅干丸」として食されていました。

現代のような食べ方で一般家庭に親しまれるようになったのは、江戸時代からです。

このように広まった背景には、
保存食や薬としての効能以外に、
日本人が民族的に胃酸の分泌力が低く、それを補うためだという説もあります。

食欲を増進させる工夫

栄養療法を行う上で、一番はじめに考える重要なことは、何を食べているか、
もっと言えば消化吸収ができているかということです。

胃酸が出ていないと、タンパク質が十分に分解されずに腸の負担になります。

胃の虚弱な日本人にとって、いかに消化を助けるかというのは、
おそらく昔から課題だったと推測します。

和食の盛り付けがとても美しいのも、
一説には、いかに食欲を増進させるかという工夫から来たものであり、
日本の食文化がこれほどまでに繊細で美しい理由の背景には、
胃が弱かったことがあるといわれています。

日本の風土の中で、日本人の身体だったからこそ育まれた感性と言えますね。

梅干しや酢の物といった、すっぱいものが和食文化で定着した理由もここにあります。

今年の白梅干しは2kg。梅酢があがってきたところ。

梅干しの酸味の主体はクエン酸とリンゴ酸です。

梅干しやレモンのPHは2、食酢のPHは2.5~3くらいで、胃酸のPH 1~1.5にちかい。

つまり、梅干しやレモンは、天然の最強の胃酸補助薬なんですね。

西洋の食文化が入ってきた明治以降~戦前にかけては、日本でレモンが盛んに作られていました。

戦後は一時輸入ばかりになりましたが、近年国産のレモンも復活しつつあります。

梅の効能

胃酸補助作用の他にも、実に様々な効能があることがわかっています。

・疲労回復効果

殺菌・整腸作用

・抗酸化作用

抗ガン作用

抗炎症作用

など。

梅に含まれているクエン酸には、殺菌・除菌効果があります。お弁当に入れておくのは、食欲増進と食中毒予防の両方の観点から理にかなっているんですね。とくに夏はおすすめです。

保存食としてもすぐれているので、 非常食としてストックしておくといいでしょう。
緊急時はストレスがかかり、胃腸機能が低下するので、食欲増進や消化促進に役立ちます。

また、酸味のある梅干しには収斂作用があり、汗のかきすぎを予防してくれます。これからの夏の時期にぴったりです。

梅の味噌漬け、煮茶梅2種

いずれにしても、日本人にとって梅は食文化に欠かせないものといえます。

酸っぱい梅干しが苦手な方は、調味料として使ったり、一度塩抜きしてみりんや蜂蜜でつけて甘くする方法もありますよ。

梅干しを買う際は、原材料が梅と塩(できれば天然塩)だけのシンプルな表記なものにしましょう。
アミノ酸やら着色料は不要です。

難しいとこは考えなくても、季節のものをおいしくいただくこと。
健康に生きる秘訣は、いつも自然の恵みとともにあると思っています。

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